04/09/10@世界の中心で愛をさけぶ

(最終話)

「大丈夫だよ、朔ちゃん。夜は必ず明けるんだよ」という亜紀の姿にかぶって横たわる朔太郎の姿(頭の位置は上方向)。
続いて葬儀祭壇……亜紀の写真が立てられている(当然ながら頭の位置は上)、その前に置かれた棺桶の中に亜紀の遺体(頭の位置は右方向)。
切り換わって亜紀の顔がアップになり(頭の位置は左方向)、その死顔は安らかな笑顔。
それにかぶって横たわる朔太郎で二人の一体感を暗示させ、その表情……笑顔!?

先刻の「夜は必ず明けるんだよ」にかぶるアップの時は苦難の見受けられる表情だったが、それが目覚めると…うつろ。

その後になって「寝てると会えるんだ亜紀に……夢見てる時は、これは夢だって思わないじゃん。そのうち、目…覚めなくなったりして」

そういう意味でしたか。胸ぐらにつかみかかっていた顕良を制止していた大木が、その言葉を耳にするや殴りつける。

「痛ぇだろ? 腹ぁ減んだろ? 寝るだろ? 起きるだろ? クソすんだろ? なぁ、廣瀬……一番欲しかったものを……お前さんは持ってるんだよ! おォいッ! オォいィ!」

亜紀の別れの言葉のテープ……“大木くん。夢島、ありがとう。私と大木くんはちょっと似てるかなって思ってます(中略)。おまえさん、朔ちゃんをよろしく”……こいつは、こいつでしっかりと受け止めてますね。

遺骨を結局、オーストラリアで撒けず、明希の事故の際に路上へ落とすまで17年間も持ち続けていた朔太郎が粘着質とか執着する性分のように見ていたものの、最終回を見終えた時、個人的にはそういう印象がないです。

ゲタ箱で肩を叩かれ「落ちてたよ」と差し出された時、「可愛い……亜紀なんかどうでもいいや」という心理が働いていないはずないと思います。

「智世へ……智世と初めてしゃべった日。今でも覚えてるよ……陸上部の練習の初日」
「くったくのない智世の明るさは……私の憧れだったんだよ」
「智世の笑った顔……好き。大きな声も好き。だから……いつまでも変わらないでね……」


 ヘッドフォンをはずし、初めて言葉をかわしたその場所に置きやると、放課後に陸上部員として走っていたグランドに歩み出る。

 そして、細身の身体を引き絞るような声で叫ぶ。

「畜生ォォォォオっ!!」

 この智世の叫び声が全編を通して一番、心に残りました。

陸上部の新入部員同志で、練習の後の水飲み場のところで顔を洗ってたら、「タオル貸して!」と言われて、さっきまで自分の汗を拭ったり、濡れた顔をふいたりしていたタオルが手渡されると、それをさっさと使ってのけて。

「肌と肌とが間接的に触れた、あの時から好きだった」みたいなメッセージって、しっかりと女の子&女の子の萌えドラマでしょう。
(あ……そうなると、あの「畜生ォォォォオっ!!」ってのは、自分の命が尽きようという時に一緒にオーストラリアに行こうとした相手が(タクシーに乗る時に突き飛ばして、一人で行くつもりだったが)朔太郎だったことに対して、「悔しい…こんなに好きなのに。最後はやっぱり男と一緒が良いの?」という切ない事実に対しての叫びだったのか?)


亜紀は死ぬ前に、「あの青い空を見たい」という想いから自殺行為なことに病院を抜け出し、龍之介は高校3年の夏にして友人に別れを告げて好きな女を追って、東京へ行ってしまう。

あてが外れたら、すぐに帰って来てしまうようなことであったことも含め、同列に並べるわけじゃないと言えるかもしれない。
が、この「行きたい」と思ったら行こうとしてしまうあたりの性分でも、亜紀は龍之介に対して「自分と似ている」と感じたのかしれない。
そして、智世の好きな龍之介が東京に行ってしまうとわかり、高校生活最後の競技会(そのためにずっと練習して来た)への参加を犠牲にしてまで智世につきあってしまう。
智世の願いのかなうことが、自分の大事な競技会出場と同じくらい大切だと思うから。
その後、智世が龍之介に対して特に想いを寄せている様子はなく、幼なじみである友達同志として画面に映っている。
智世としちゃ、好きだったとはいえ自分でなく、他の女を追って去るのを目の前で見せられたわけだから、気持ちとして執着心がなくなってしまうのも当然かしれない。
「智世が好きな男が自分に似ている」とみなし、そして自分が他界した後、「朔ちゃんをよろしくお願いします」とその男(龍之介)に言い遺す。


なんだか、智世が『ウテナ』の樹理さんみたくなっちゃいそうですね。

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